2013年2月24日日曜日

#14 Oslo(2)

オスロの街から少し遠く離れたところで道に迷ってしまいました。車とマンションと海辺があるだけで、中々人気のない場所でした。下の写真のような場所です。目の前を歩くマダムを見つけてとにかく道に迷ってしまったことを伝えました。そこから1,2kmは歩いたでしょうか。マダムはバス停まで連れていってくれました。彼女自身も知らない土地だったそうで、とにかく色々な人に行き方を聞いてくれたのです。途中で何度か自分で探してみるとも言ってみたのですが、せっかく日本から来たんだから絶対私が連れていくわと言わんばかりに目的地まで進めてくれました。オスロは極寒でしたが、ハートは暖かかったです。
Henie Onstadまで行くバスに乗り、約20分。最寄りのバス停に着きました。目の前にこんな家が建っていたので、思わず一枚。
これからの道のりも面白い建築が見れそうだと淡い期待を抱きながら、道を進めていきます。遂にHenie Onstadの文字が。
中に入っていみると、そこは老人センターでした。確かにSENIORの文字がはっきり刻まれていますね。勢い余りました。そこから30秒のところにKunstsenterの入り口が見えました。
途中の道は絶景です。

そして遂に辿り着きました。広大な敷地です。
内側から外を眺めるとこんな感じです。ベストな交通手段はマイカーか観光バスですね。
最初に見た展示「lære for livet」は生きる為に学ぶというテーマです。子供たちの率直な意見やアートに見える授業風景、子供達のひたむきな姿にはとても感銘を受けました。今回の旅では友人の親戚や3,4歳の子供と一緒に遊ぶシーンが何回かありました。日本語が通じなかったりもするので、100パーセントのボディランゲージ。これは新鮮な体験でした。さて「生きる為に学ぶ」展ですが、イランの映画監督アッバス・キアロスタミの映像も展示されています。このドキュメンタリー作品の主題は「宿題」、宿題をやってこなかった子供達に何故そうしたかを聞きます。彼らの主張は時にユニークで時にはっきりと彼らの道理を説明しています。
教室をそのまま表現したインスタレーションなども。もはや教室なのでわざわざインスタレーションと呼ぶのもわざとらしい気もしますが。次の展示へ向かいます。

このアートセンターは地上1階と地下1階から構成されており、まずは地上を見てから地下へ向かいました。
「ビートルズにここで演奏してほしい!」とはなんとも意味深なタイトルです。Kurt Schwitters(クルト・シュヴィッタース)は20世紀前半に起こった芸術運動ダダイズムの代表的な作家です。この文字情報から既に期待が膨らみます。まずはビートルズ方面から。
Henie Onstadの歴史は1968年から始まります。HenieとOnstadの名前は創設者であるSonja HenieとNiels Onstad夫妻のそれぞれの苗字から取っています。Sonja Henieの生い立ちはとてもユニークで彼女はノルウェーのアイススケート選手、オリンピック代表でした。金メダルを3回も獲得した国民的スターであり、その頃全盛のハリウッドでは彼女のスケートショーを撮影したと言われています。彼女は夫のNielsと共にアートコレクターでもあり、特に前衛芸術集団Fluxus(フルクサス)のコレクションに力を注いでいました。この集団はオノヨーコも参加していることで有名です。このセンターでは過去にJohn Cage(ジョン・ケージ)のパフォーマンスを催したり、コレクションの収蔵と共に積極的にダンスや音楽などのパフォーマンスの紹介を行ってきました。
写真の様にペインティングの前で、バレエを踊るなどの催しもあったようです。今回の「ビートルズ〜」展はこういった彼らがセンターで催してきた過去のパファーマンスの軌跡を辿る展覧会だったのです。歴史にもしもは無いですが、もしビートルズが活動を続けていたらそれはあり得たかもしれません。実はこの展示にすっかり心を奪われてしまい、バスの時間ぎりぎりまでそこに釘付けでした。その為、クルト・シュヴィッタースの展示はささっと見てセンターでの滞在はをタイムイアウトとなりました。かなり惜しいです。とにかく時間が足りなかったです。街に帰るとそこは夕方でした。
この建物を見るのにちょうど良い時間となっていました。オスロのオペラハウスです。中央の滑り台のような場所は夏場は人がたくさん座っていたり賑やかになるそうです。ロビーのデザインにはデンマークのアーティストOlafur Eliasson(オラファー・エリアソン)が関わっており、内装も訪問客の視覚を魅了するような仕掛けが至る所に設置してありました。オペラを鑑賞する更なる楽しみをこの建物は実現しています。以下、内装です。このの壁がオラファーによるものです。角度によって見え方が全く違います。
この後は代々木公園近くにも支店があるFuglen(フグレン)の本店に行ってまいりました。
こちらでコーヒーを一杯。アンティークな雰囲気がたまりません。日本に帰ってもまたちょくちょく行きたいカフェです。
というわけで、夜になり簡単に夕飯を済ませ明日の鉄道の旅に備えました。次の目的地はヨーテボリ映画祭です。

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